チームメイト

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「何か部活やってんの?」 速水の質問で、会話が再開された。 「やってないけど…?」 「じゃあ、キックベースボール部に入れよ!それなら、俺もいるしさ」 さすがは速水というか、勧誘への持って行き方が自然な流れだった。 狙い通り茶髪は考え始める。 どうやら、部活をやる事に抵抗はないようだ。 「まあ、ゆっくり考えてよ。じゃ、俺たちは練習にもど…」 「まて」 速水が七海を連れてその場を去ろうとすると、茶髪がそれを呼び止めた。 「その、まあ、ヒマだし…。部活やるよ」 「なぬ?」 七海が思わず変な声を出す。 速水も驚きを示した。 「え、あ、マジ?俺、結構期待せずに言ったんだけど…」 「マジだ。部活やる」 これには速水も喜んだ。 まったく、思わぬところで部員を捕まえるものだ。 速水は早速茶髪の手を引いて、火村たちのいるグラウンドまで走り出した。 「俺、速水!1年だ!お前は?」 「あ。ついでに、2年の七海もよろしく」 「俺は、天野だ。同じ1年」 こうして、部員を新たに1人確保した速水だった。
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