東京DCのイルミネーションは 電球100万個

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家に帰ると、父親が玄関までやってきた。 「こんな遅い時間までどこ行ってたんだ」 鼻の頭が赤い。 どっかのキャバクラで飲んできたらしい。 母親はとっくに寝ていた。 「あんたにゃ関係ないでしょ」 あたしはさっさと自分の部屋へ行こうと思った。 酒飲んだ時だけだ。 あたしに構うのなんて。 「ちょっと待て」 腕を思い切り掴まれて、あたしはイライラした。 「酔っ払ってクダ巻いて、説教たれたいならヨソでやってよ。こんな時だけ構うのやめてくんない?」 父親はあたしの頬ぺたをひっぱたいた。 酔っていて、力の加減もクソもなかったんだろうな。 あたしは廊下の奥へ吹っ飛んで、壁に頭をぶつけた。 頭も頬ぺたも…すっごいイタイ… 騒ぎに気がついた母親が、寝室からそっと顔を覗かせているのが見えた。 「お前、誰のおかげで生活できてると思ってるんだっ」 ホラきた。 お決まりのパターン。 俺が稼いできているからだろう 俺が稼いだ金で生きていけるんだろう 学校もメシも何もかも 俺のおかげじゃないか 大体最近の若いやつらは何なんだ 傍若無人に振舞う事しかできんのかっ 自分一人で育ったと思ってんのか?ああ? お前なんかカスだどうせ頭ん中、セックスの事しかないパープーなんだろ? カスだカスっ …自分の親にカスだパープーだとなじられるのは、かなりショックだ。 とても悔しくて、涙が溢れてくる。
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