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夏の夜みたいに蒸し暑い。
それに奇妙な臭いがする。
俺は目を開けた。
周りの植物は すべて枯れていて,
辺りは薄暗い。
足元はデコボコした土で歩きにくい。
それに土には沢山の足跡がついていて気持ち悪い。
頭がフラフラする。
「尚都?
大丈夫?」
後ろから声がする。
振り返ると,目も手もちゃんと付いていて
黒いサンタクロースの服を着たサンがいた。
「なんで黒いサンタクロースの服着てんの?普通赤だろ!」
俺が抗議すると
サンはプイっと そっぽを向いて
「うっせっ!
地獄のサンタクロースのコスチュームはこれって決まってんだよ!」
と言った。
サンは身長が俺より ずっと高かった。
それのせいか,なんだか怖い雰囲気が漂っている。
なので抗議するのを止めた。
俺は 納得がいかないまま,
サンに手をひかれ 地獄の門へと連れていかれた。
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