ため息

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「なめてんのか?!」 バキッ 「とっとと渡せや!」 ドカッ グシャッ 叫び声と変な音が聞こえてくる。 俺は走って声がする方に行った。 着いたのは薄暗い公園で, 誰かがカツアゲされていた。 気付くと俺は 絡んでいる奴の側まで走りより,そいつらを殴り飛ばしていた。 ……殴った後から恐怖が出てきて,逃げ出したくなった…。 本当に どこまで阿呆で臆病者なんだ俺…。 俺は臆病者だが, カツアゲは絶対に許せない。 何故かと言うと 中学の頃 俺がカツアゲされている途中に ちょうど通りすがったお母さんがカツアゲを止めてくれ, お母さんに抱き付き 大泣きしながら家に帰ったのを同級生に見られて 校内中に広められ馬鹿にされたからだ。 カツアゲを見ていると あの頃の悲しさと怒りが込み上げるのだ。 しかし絡んでいた奴と言っても 俺がその人達を殴った事は事実だ。 暴力で解決させるのは好きじゃない。 ここは ひとまず殴った事を謝ろう。 そう思い,口を開けた瞬間… 「うわあぁぁ!!!!」 「にっ…人間だあぁ……!!!ずらがれ!!」 男達は 怯えた様子で全力疾走し,何処かへ走って行った。 “変なの。 あいつらだって人間じゃん。” 俺は男達の姿が見えなくなるのを見届け, 絡まれていた人の手当てをしてあげようと思い 辺りを見回した。  
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