1.冬の始まりに

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悟が慌てて店の外に出て看板の電源を入れると、タイミングよく、薄暗くなってきた空から、突然にみぞれが降ってきた。 「いててて!!」 みぞれにうたれた悟は慌てて店に飛び込む。 「満さん。外、みぞれが降ってきましたよ。」 頭にかかった白い固まりをとりながら悟が言う。 「寒いなと思っていたら降ってきたか…」 満は飾り棚にあるグラスを磨きながら答えた。 今日は寒くなると、雪も降るかもしれないとテレビのニュースが言っていたのを思い出していた。 「早い時間はお客はすくないかもな…」 扉をあけ、空をみあげながら満はつぶやいた。
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