1.冬の始まりに

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<から~ん> 扉が開いて二人の男が入ってきた。 「いらっしゃいませ」 悟が入ってきた客に声をかける。 「久しぶり~。元気してる」 「あっ、博之さん。久しぶりです。」 入ってきたのは店の常連客の博之だった。 「なんでそんな格好してるんですか?」 悟が博之にきいた。 店に入ってきた博之はサルスーツを着て皮ジャンをはおっていた。 「仮装パーティーしてたんだよ。 ワンを貸しきりにして。」 「へ~。そうなんですか。 悟郎さんはその格好は寒くないです?」 いっしょに入ってきた悟郎はウェットスーツをきてサーフボードを抱えていた。 悟郎もこの店の常連客である。 「こんなに寒くなるとは思わなかったから…。 とりあえず焼酎を湯割りで!」 寒そうに満に言った。 「了解です」 そういって、満は厨房に消えていった。
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