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その紙は地図らしく、自分のいる場所と地図を交互ににらめっこしていた。
すると何かを閃いたのか、しずくはいきなり立ち上がりお花畑の一番端まで駆けて行った。
端は行き止まりで、下を覗き込むと驚きの光景にしずくは息を呑む。
下には青空が広がっていた。
上を見上げても青空。下を見下ろせば自分が先ほどいた場所が豆のように小さく見えた。
「着い……た?」
ぼそりと呟くと地図を握りしめ目を擦る。
頬っぺたをつねる。
頬っぺたを叩く。
「いたっ」
当たり前だろう。
しかし痛みなんかすぐさま吹き飛ぶような元気な声でしずくは言った。
「夢じゃないんだ。あたしは空に浮かぶ魔法都市、ペクタルに着いたんだ」
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