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「えっと、ここを右に曲がって……」
アスファルトの上をしずくのブーツがカツカツと音を奏でる。
お花畑から抜け出したらそこには多くの家が建ち並んでいた。
ヨーロッパを思わせる建物や街並み。
しかし空を見上げれば違った。
妖精のような羽を生やし、空を飛んでいる者。
全体的に丸みを帯びた形に、オープンカーのように上空を見渡せる造りになっている乗り物。
空にはありとあらゆる乗り物が、宙に浮かび空を飛んでいた。
その光景を見てしずくは少し驚きを見せるが、すぐに視線を地図に向け、目的地を目指し始める。
「そろそろ着くはず……」
数分歩いたところで足を止め、上を向くしずく。
「あった」
そのまま数メートル程歩けば着く位置に、それは建っていた。
ずっと地図を見つめ歩き続けていたせいか、こんな大きな建物に気づく事の出来なかったしずくは、少し顔を赤らめるがすぐに首を振り再び歩き出した。
『守護団』に向かって―。
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