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「でも、駅前のがいい」
タダをこねる娘に、ある一言を口にする。
「わがままを言うと、今日サンタさん、家に来ないかもよ。プレゼント貰えなくなるね」
聖良は、母親からの言葉に一瞬黙りこむ。
「いいもん。プレゼントなんかいらない」
そう言ってから、キッチンを後にする。
玩具なんて、いっぱいある。
共働きの両親は、負い目からか、玩具を時々買ってくるから、欲しい玩具はもう持っている。
だから、玩具のプレゼントは要らない。
自分の部屋で拗ねている娘に、母親は行ってくるの挨拶だけして、会社に向かった。
父親は、聖良と母親が話している内に出勤してしまったので、また家に聖良が一人きりになる。
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