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「ケーキは如何ですかぁ?」
サンタの衣装を身に纏い、店頭でクリスマスケーキを販売する店員の前には、昨日出会った小学生位の少女が立っていた。
「ケーキください」
「いらっしゃいませ。どれにしますか?」
少女は、見本に置かれた何種類かのケーキを端から端まで見ると、一番小さな生クリームのケーキを選んだ。
「2100円になります」
その言葉を聞いて、聖良は、首から下げた財布の中から、いっぱいの小銭と、五百円玉を取り出した。
五百円玉三枚と、百円玉やら十円玉だらけの2100円分の小銭を、小さな手に集めてから、店員に渡す。
「ありがとうございます。」
レシートを受け取り、乳白色の袋にいれて貰ったケーキの箱を、大事そうに抱える。
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