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顔を上げた時、目の端の真っ暗なところに四角い小さな箱が置いてあった。 なんだろ? ミシッ ミシッ お宝とか? 絶対ありえないことを考えながら黒い箱を手にとった。 玉手箱みたい。 「おねえちゃん!まだぁ?」 「今行くからね!」 ポケットに箱と竹とんぼを入れてもう一回四角い穴から顔をだした。 「早く!おしっこ!」 え…、トイレ? もらしちゃったら大変だ。 梯子を慌てて降りて樽の上から飛び降りた。 「行こう!抱っこ。もれそう?」 「うん、もれそう」 「家まで我慢だよ!」 両手を伸ばした昂くんを抱き抱えて走りだした。 「もれる!もれるっ!」 何かちょっと楽しそう…。 キャッキャしてる昂くんとは逆にゼーハー言いながら家に駆け込んだ。
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