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昂くんは竹とんぼが気に入ったみたいで、いくらやっても飛ばせないのに、ずっと遊んでる。 「ほんとうにどっからそんなもん見つけてきたんだかねえ」 おばあちゃんとおじいちゃんは昂くんの周りで楽しそうに笑ってた。 「ゆんちゃん今日はありがとうね。昂ったら、すごく楽しそうに…」 お母さんが私に麦茶を渡して横に座った。 「別に、私も楽しかったんで、いいですよ」 「…そお。それならいいんだけど」 まただ…。 また、お母さんの困惑したような笑顔。 気をつかってるの、わかっちゃうんですけど…。 「奏子さんはお風呂入らないんですか?」 「あ、…うん。入って来ようかなあ」 いそいそと用意を始めるのを、私は視界の端で見ていた。 お父さんがお風呂から上がって、タオルを首にかけながら缶ビールを持ってお母さんの座ってた位置に座る。 「お父さんな、この休みが終わったら出張行かなくちゃいけないんだ」 「…ふぅん…」 「母さんと昂のこと頼むぞ、ゆん」 「…はあーい。あ、そうだ!おばあちゃん!ちょっとこっち来て」
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