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「ちょっと傷ついてるけど、年代物っぽいね?」 「なんだろうなぁ、それ。なんか見たことあるけどなぁ」 お父さんが首を傾げる。 「それは、鍔じゃよ」 「…つば?」 つばって口からでるつば? 昂くんと遊んでいるおじいちゃんの答えに戸惑った。 「ゆんちゃんは知らんよなぁ」 アッハッハと笑いながらおじいちゃんは説明してくれた。 「刀と柄の間に入れるやつじゃよ。なんでそんなもんがうちにあるんかねえ?」 「さてね。気に入ったならゆんちゃんにやるよ。あっても使わんしな」 私もあんまりいらないけど、お宝なのかな? でも断るのもね。 「だって。お父さんもらっていい?」 「いいんじゃないか?母さんたちもいいって言ってるしな」 興味が薄れたお父さんはテレビを見ながらビールの続きを飲みはじめた。 「本格的なやつじゃな。たぶん鋼鉄じゃよー。使われてたやつかもしんないの」 昂くんを連れておじいちゃんがやってきた。 「昂くんには竹とんぼあげるからなあ」 「わーい!ありがとう!」
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