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「ゆんの部屋かい?ちょっと見てくるから。ここにいなさい」 コクンと頷くとお父さんは二階に上がって行った。 おじいちゃんとおばあちゃんはもう違う話をはじめてた。 「昂も一人じゃあぶないかしら…」 お母さんは不安そうに二階を見上げてる。 昂くんの心配か…。 そんなこと考えながら私も二階を見上げてた。 少しして降りてきたお父さんは私を見て首を傾げた。 「…誰もいなかったぞ?一応全部部屋みてきたけど」 誰もいなかった? 確かにいたのに…。 そして心配だからとお母さんは昂くんの部屋に行った。 私はおばあちゃんにいれてもらったお茶を飲んでずっと思い出していた。 廊下の明かりしかなかったけど、確かに着物姿の人いたんだけど…。 もうすっかり何もなかったことになってる。 お父さんも酔っ払ってきてるし、おじいちゃんとおばあちゃんは眠いのかあくびしていた。 「…もう寝る…」 「わしらも寝ようかね」 「…おやすみなさい」 「おやすみ」 あんまり部屋に行きたくなかったんだけど、うだうだ考えても仕方ない。 階段をスローペースでのぼっていく。
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