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「ゆん!」 「なに?」 階段をあがりきったところでお父さんに呼びとめられて振り返る。 「皆で一緒に寝るか?」 「…え?」 「ほら、さっきのこともあるし」 「…いいよ。子供じゃないし」 「そうか。何かあったら起こせよ」 「うん。わかった」 少しだけ安心した。 気にしてくれてるんだな。 部屋の前に立つ。 大丈夫。誰もいないって言ってたし。 深呼吸してドアを開ける。 ガチャ 「誰もいないし…」 当たり前のことに安堵のため息をついて布団の上に座った。 布団の上には玉手箱。 赤い紐をほどいて中の鍔を見た。 昔の人もこんな技術持ってたんだ…。 感心しながら箱に戻した。 何だったんだろう……。 気のせいかな。 やけにリアルだった人を思い出す。 お化けだったりして…。 考えて背筋が凍る。 寝よ………。
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