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携帯電話が耳元で振動しながら鳴っている。
…………起きなくちゃ。
携帯電話を止めてまた閉じそうになる瞼を開けようとしてみた。
目の前に人の……………顔?!
「…昂くんか…おはよ………」
「おはよう、おねえちゃん!おばあちゃんがご飯だよって」
無邪気に笑う昂くんの頭を撫でる。
そうだ。おばあちゃんちに来てるんだった。
「起きたよって言ってきて?おねえちゃんもすぐ行くから」
「はぁい!早く来てね」
ニコニコ笑って昂くんは走って部屋を出て行った。
なんで子供は朝から元気なんだろう。
ドタドタと階段を降りて大きな声で何かを言ってる声が聞こえる。
たぶん「起こしてきたよ」とか得意気に言ってるんだろうな。
重たい体を起こしてカーテンを開けようと窓辺に近づく。
ここに昨日……。
思い出してハッとする。
「考えない、考えない!」
薄気味悪いこと考えても仕方ないでしょ。
自分に言い聞かせるようにカーテンを開けた。
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