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「そうだよっ!昨日おばあちゃんちに忍びこんでたでしょ?!あんた誰?!ここで何してるの!!」
一気にまくしたてたのと、走ったせいで息切れしたのとで、喉が痛くなった。
それでも私は睨み付ける。
負けないんだから!
キッと睨み付けると、男の人は困ったような顔をしていた。
…年上?同い年?
微妙な年齢に見える。
幼い顔立ちで日に焼けた小麦色の肌が白い着物によく映えていた。
…悪い人じゃなさそう…。
一瞬、そう思った。
私ったら、この人泥棒かもしれないのに!
自分で飽きれながらも一瞬ゆるんだ目付きをまた厳しくして睨み付けた。
「昨日はここには来ていないと思いますが……、失礼ですがあなたは?」
困惑顔のまま丁寧に聞かれて、私は胸を張って答える。
「ここの家の者の孫です!昨日の夜、確かに私はあなたを見たんだから!」
フンッと鼻息をたてるように怒鳴りつけると、更に困惑したように男の人は視線をずらして考え込むフリをしてる。
「ああ―!もういい!もういいですから、とりあえず一緒に来てください!」
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