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目が覚めると、ベッドの上だった。
…当たり前だ。
聞きなれた目覚まし時計が、朝の7時という学校に行くわけでもないのに素晴らしく早い時刻を知らせている。
ここ以外どこで目覚めるというんだろう。
まだすっきりしていない頭の中に『言葉』の断片が残っていた。
けたたましく鳴っている目覚まし時計を止めてボサボサの髪をかきあげる。
まだ、眠い。
朝起きるとたまにあるあのモヤモヤ感。
起きる前に見た夢が頭のなかでぼんやりとした形を持っている。
あまり気持ちいいものではなかった。
ベッドから降りて真っ白いレースのカーテンを開けると、向かいの公園の緑が広がる。
もうすぐ桜が咲きそうだ。
四月から三流大学生になる。
やりたいことも特別ないんだけどね。
今日はおばあちゃんちに行く。
じゃなかったらこんなに早く起きないで、昼近くまでぐずぐす寝ていたい。
コンコン
「ゆんちゃん起きてる?」
ノックの音とお母さんの声。
窓のそばから離れてドアを開けに行く。
カチャ
少しだけ開けて顔を出す。
「おはようございます」
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