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「………………………………………おはよう……」
リビングへ入って一瞬言葉を失った。
今、見たよ。
ドアを開けた音に気が付いた二人がパッと離れた。
お父さんとお母さん。
朝から仲いいね。
むかつくけど。
「おはよう」
ちょっとぎこちなく笑ったお父さんにやっぱり笑いかけることはできなかった。
「おはよ…昂くんは?」
なんとなく気まずくて、お父さんに聞くと、新聞を広げながら座ったお父さんが顔を上げた。
「おはよう、おねえちゃん!」
バタバタと台所横から駆け寄ってきた昂くんが私の足にまとわりつく。
弟。
まだ、三歳。
お母さんの連れ子だ。
昂くんは嫌いじゃない。
わがままじゃないし、あんまり泣かない。
やんちゃだけど、そこがかわいい。
「おはよ、昂くん。トイレ行ってたの?」
うなずく昂くんに自然と笑顔がこぼれた。
にっこりと笑うと、抱き抱えて椅子の上に乗せてあげる。
「ありがとう、おねえちゃん!」
いい子だ。
私よりよっぽどいい子だ。
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