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「ぁっ!!」
ハッとして目を開ける。
私の…部屋…。
安心と同時に、早打ちしている胸の音と目に溜まっていた涙に気付いた。
夢…だよ。
大丈夫。
自分に言い聞かせるように心臓の上に手を当てた。
小さく深呼吸。
ドンドンッ!
「どうしたっ?!」
強いノックの音とお父さんの声に、驚きおさえていた鼓動が大きくなった。
ビクッとなった体。
「大丈夫!夢見ただけだから!」
とりあえずそう伝えると、そうか。と言ってお父さんが部屋に戻って行った。
足音を確認して、壁時計を見る。
まだ朝の6時だし…。
落ち着いてくると目覚まし時計より先に起きたことの後悔。
あと1時間は眠れた…。
だけど、夢は続きを見せることがあるから…。
怖かった。
鮮明に目が合った血塗れの人の目を思い出せる。
今日は寝覚め悪すぎなんだよ…。
滅入った気分になりながら、でも少し夢だったことに安心してまた布団にもぐり込んだ。
外はもう明るいけど、あと1時間寝たい…。
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