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ついに首にぶらさがった昂くんに殺されそうになって、満腹の体を動かす決意をかため、庭を散歩することにした。 背の低い昂くんが精一杯手を伸ばしながら小さい手で指をつかんでいる。 「昂くん、あっちにおねえちゃんが小さい頃に遊んだところあるから行ってみよっかあ」 「うん!」 昂くんはよく分からない歌を楽しそうに歌いながら歩いている。 私にもこんな時期があったんだろうなあ。 おばあちゃんちの庭は広い。 畑と野原を挟んだところに、納屋みたいな蔵がある。 小さい頃冒険ごっこをして遊んでた場所。 昂くんが蝶々をみつけて走りだした。 私もつられて小走りになる。 「昂くん、待ってよ」 人差し指と中指が抜けそうになる。 痛い痛い…。 自分のことで頭がいっぱいの時の子供は怖い。 力加減をしてくれないから。 「あー。チョウチョ行っちゃったねぇ」 急に立ち止まって空を見上げている。 白い蝶は風に乗るように高く遠くへ飛んで行った。 「…行っちゃったねえ」
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