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1852年夏
武州多摩地方、試衛館道場
「今日から試衛館に入門する沖田宗次郎です、よろしくお願いします。」
少年がペコリと皆にお辞儀をした。
少年の名は沖田宗次郎。
後に沖田総司と名を変え新撰組最強剣士として歴史に名を刻む事となる。
宗次郎は四歳の頃に両親を亡くし以来、姉の"みつ"の家に世話になっている。
そして九歳の時に試衛館道場の近藤周助に気に入られ試衛館に住み込みで弟子入りをすることになった。
「どうしよう…みんな決まっちゃってる…」
試衛館に入門して初日、慣れていないせいか皆が二人で組み合って稽古をしている中、宗次郎は部屋の端で一人で稽古をしようとしていた。
それを見て声を掛けた人物がいた。
これが後の新撰組局長、近藤勇との初めての出会いだった。
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