308人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前、新しく来た宗次郎だろう?
一人で稽古しているなら俺と稽古しないか?」
試衛館道場、師範の息子の近藤勇が目の前に座り込み沖田と同じ目線で言った。
「はい…お願いします」
沖田は怖ず怖ずと竹刀を出す。
この時、沖田は九歳で近藤は十九歳だった。
近藤は幼い沖田相手に本気で稽古をするつもりは無く、練習相手がいない沖田を不敏に思い相手をしたはずだった。
…したはずだったのだ。
バチィンッッ-
道場内に響き渡る鍔競り合いの音。
稽古中にも関わらず周りの者達が沖田と近藤を見てしまう。
何故なら押しているのだから。
沖田が圧倒的に-
「このままじゃ…ヤバイな…」
近藤は予想外の沖田動きに次第に焦りを覚える。
バンバンッ
ガンッ
パァァァン-…
竹刀が宙を舞う。
決着が着いた。
最初のコメントを投稿しよう!