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少し遠くてはっきりとはわからなかったけど、明美は泣いているようだった。
そして、明美の声が聞こえてきた。
「・・・治らないかも知れないんでしょ?私もう・・・アメリカに行かなきゃいけない・・・」
すると、その男の人は優しく明美の肩を抱いていた。
俺は、もうその場にいることに耐えられなくなって、走るようにして病院をあとにした。
街中を歩いていると、さっきの言葉が俺の頭の中をぐるぐると回っていた。
治らないかも知れない。
アメリカに行かなきゃ行けない。
あの男のことももちろん気になったけど、それ以上にあの言葉が気になっていた。
もしかしたら明美は・・・。
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