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シェリルリアの西、悠久のサンクの中流にその土地の言葉で、"焼けた町"を意味する、エラングムと呼ばれる廃墟があった。
四聖戦争の末期、人の記憶では、89年前、シェリルリアの正式な記録では93年前、
狡猾なガルフブレイズ率いる東軍12万と、青銅のポリディクティス率いる西軍8万の最後の決戦の舞台となり、一夜にして滅んだ小さいな町。
その物語は、詩人達の口を経て後世に伝わり、7つの言葉に訳され、13の国で本につづられた。
英雄の活躍をうたい、神の加護に謝辞を述べる、それらは全て、時の権力者に書き直された、一片の真実も伝えぬ、作られた記憶。
同じ過ちを繰り返すために、美談だけを伝え、次の戦いに駆り立てるために、神の名をかたった。
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