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「舞、よくお聞き。お前は神様を守る為に決して神楽坂の敷地から出てはいけない。外は穢れていて、純血なお前が穢れてしまう。…その清らかなままで神様を守るのがお前の役目だ。良いね?」
物心付いて間もない時だった。まだ難しい事がわからない私を広い訓練場に呼び出し冷たい床に正座させられた。目の前の祖母は真剣に、険しい表情で語りかけた
何を言ってるか理解が出来たものじゃない。何度も、何度も瞳を瞬かせた
ただ言えるのは絶対に拒否は認めてくれないという恐怖。そして、私がやらなきゃいけないという義務
汗ばんだ掌で赤いスカートを何重にも折り頷いた
「うん…。舞、お家から外に出ない。舞がカミサマを守る!!」
幼心ながら分かっていた。おばあちゃんの言うことは絶対なんだ。だから、逆らってはいけない
そうやって自分に言い聞かせた
決意した私を強く、強く抱き締めてくれた。目尻にはうっすらと涙が滲んでいたのはその頃の私は気付く筈もなかった……
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