雪の守護者

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「どうぞ」 庭先で冷えると拒否ばかりしたが何とか居間まで招いた。こたつは初めてなのか、何か分からず入る事なく礼儀正しく正座した少年の前に熱いお茶の入った湯呑みを差し出したら控え目会釈をしてきた …礼儀作法にはちゃんとしている子。珍しい 「ところで先程の話の続きだが…」 一息ぐらいさせてあげたいが先程の話が気になって仕方がない。切羽詰まって急かした 勿論、最初から話すつもりだったのだろう。一度頷き私よりも大きな右手をスッとこちらに突き出す。握られた掌を疑問符浮かばせて覗き込むと見やすい様に掌は開かれた 縦に半分割れて真ん中の絵柄が何か分からない銀色のの装飾品。もう一つあれば完全な指輪に見えるがとても不恰好な指輪にしか見えない 「…おぬしには神楽坂の敷地から外に出て欲しい」 「え…?」 言葉を失った 当主の門下生は何十人も居て私の存在は知っている。だが、誰一人外の世界へと導こうとはしなかった それは暗黙の了解だから… なのに容易く、そして私が外へ出た事が無いのを見抜いた。それが驚愕以外何もない 「おぬしの力が必要なんです。無理だという事は百も承知。」 問い詰め掛けたら先に言われた。力と言われても私には特別な力なんて無い …この子も沢田という人も何者? 「舞…。この者はどちら様であられる?」 躊躇っているうちに当主の気配に気付かなかった。焦り顔上げ当主を見た。…しかし、何と言えば良い?初めて逢った上に色々知っている 「初めまして、神楽坂 咲殿。拙者は門外顧問の一員。親方様の弟子のバジルと申します。この度は大事なお話がありご自宅にお邪魔しています」
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