ご飯

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  貴方の為にご飯を作っても、私は彼女じゃない。 嫌でも考えてしまう。 “いつか…別の女の人がここに立って、貴方の為に美味しい料理を作るのかな…?” 貴方のリクエストで作ったはずのおにぎりが、何だか惨めに感じる。 “私だって…ちゃんと何作るか決めて、必要な物揃えて、キッチン自由に使っていいなら、もっとちゃんとした…『料理』を作ってあげられるのに…” そう思うと、何だか悔しかった。 『彼女』と『彼女じゃない』境界線を引かれているような気がした。 …こんな風に、ちょっと不安なことを考えただけで、どんどんマイナス思考になっていく。 “でも、あの人が『食べたい』って言ったものを作ったんだから、おにぎりでも別にいいじゃん?” 私は自分の励まし方も覚えた。 裏を返せば、自分を励まさなきゃやってられないほど不安な位置で、貴方を想い続けてきたということ。  
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