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『友達以上、恋人未満』
この言葉を作った人を、恨めしく思う。
どんなに側に居ても…
どんなに想っても…
どんなに頑張っても…
『恋人未満』になってしまったら、『恋人』にはなれない。
私はそのことに気付くのが遅かった。そして、もう手遅れ。
いつか現れるであろう『恋人』の存在に、所詮『恋人未満』が敵うはずがない…。
私は貴方と会えない間もずっと、見えない相手に怯えてきた。
だからこそ、貴方からの電話に何度も救われた。
電話で話している間は、貴方と私の二人だけ。
彼女じゃないけれど、貴方を独占できる、唯一の時間。
そして、今も───…。
想い出と頭の中の世界から、ふと我に返る。
貴方はマックを食べ終え、着替えを済ませて、すごくリラックスした感じでテレビを見ている。
“自分の家なんだから、当然か”
私も貴方と同じように、テレビを見つめた。
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