おやすみ

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  「ふぁ~っ…寝よ。寝るぞ」 大きなあくびをして、テレビを消す。テレビが消えると同時に、静けさの中で、再び緊張感が芽生える。 「はよ行くぞ!」 「う、うん」 急かされるまま、貴方の部屋へと移動する。 部屋に入るなり、貴方はベッドに倒れ込んだ。 ドキン… 私は部屋の隅に、自分の道具を置いて、貴方の方をチラッと見る。 「何や?」 「お邪魔しても…いいでしょうか?//」 「駄目に決まっとるやろが。お前はそのソファーで寝ろ。…いや、床でもいいぞ?」 ニヤリと笑いながら、貴方が言う。 「えぇーっ!?それ酷すぎやろ!!」 お馴染みになってきた、貴方の私に対する意地悪な態度。私が下を向いて凹んだリアクションをとると、ほとんどの確率で貴方は笑う。 「……ぷっ。しょうがない奴やなー、ほんっと…はよ入らんか!」 何だかんだ言いながらも空けてくれたスペースに潜り込む。 布団を被った瞬間に、貴方の香りに包まれた。 すぐ隣には貴方が居て、ドキン…ドキン…と私の心臓は再び、順調にペースを早めていく。
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