8/9
前へ
/64ページ
次へ
  「ははっ、それでさー…!!」 「えっ?マジで!?」 「マジで。ウケるやろ?!」 まるで自分の家に居るかのように、ソファーに座って笑顔で友達と話す。 そんな貴方の様子を、私は部屋の隅にちょこんと座って見ていた。 「そんなとこじゃなくて、ソファーに座りなよ!」 「あっ、全然だい──…」 「大丈夫、別に気にせんでよかけん」 “…このやろう” 友達さんのせっかくの優しい心遣いを、私の言葉を遮って、一瞬で切り捨てられた。 言いたい言葉を失って、ジトッとした目線を貴方に送ると、貴方は笑いながら口を開いた。 「…何や?」 「別にぃー?」 「じゃあいいやんか」 「うん、別にいいもんー…」 そう言いながら、私はプイッとテレビの方に目をやった。 相変わらずな私たちのやり取りを見て笑う友達さんと、スネた私を見て笑う貴方の姿が、視界の隅にチラッと映った。 後、30分───…。  
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2682人が本棚に入れています
本棚に追加