ばいばい

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  「またねぇー♪」 そう言ってくれた、友達さんの言葉が胸に刺さる。 “今日で…最後なんです” …なんて、言える訳がない。私はいつも通りの笑顔を作って、言った。 「ありがとうございます。お邪魔しました♪」 車の中は、妙に静かだった。 貴方のテンションが下がったというより、私が黙っているせいだと思う。 言葉が見つからない。 走っている道路沿いの民家の隙間から、時折線路が見える。 もう、駅が近い───…。 自分の膝の上に置いた両手を、ギュッと握り締めた。  
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