貴方へ

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  同じベッドに横たわって 貴方が抱き締めていたのは 最初から『私』じゃなくて 貴方が大切に出来なかった 『あの人』だったのかな…? 貴方が想うあの人に 結局、私は敵わなかった。 「俺、やっぱり――… ……まだ無理なんよ。 お前が傷付くだけばい? もう……待つな」 唐突に告げられた『最後』は 貴方が今も変わらず 『あの人のことを想ってる』 って証なんでしょう…? 私ね、一度でいいから 貴方が想う、あの人みたいに 一途に愛されてみたかった。 笑わないでよね…? 『ガキ』は『ガキ』なりに 本気で好きだったんだから。 まだ、好きなんだから──…。 …でも、もう遅いよね? 貴方と会うのは… 『今日で最後』って そんな約束だったね。 未練たらしいけど… 貴方を諦めるのは 『今日で最後』じゃなくても 許してくれますか…?  
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