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「へぇ……。ここがラヴァンかぁ。賑やかだネ。」
「お前、明らかに嫌がってるだろ?」
「あ・わかる?」
レイスはそういって笑った。それは仮面の笑い。
そんな彼を見ていると、シェンはやりきれない気持ちになる。
早く本当の笑顔でいさせてやりたい。
まだ自分のことを本当に信用していないのかもしれない。
不安だったが、レイスには決して言わなかった。
ただでさえ彼は不安がっているのに、
自分の負担を彼に押しつけてはいけない。
彼の笑顔は自分が作り、自分が守る。
彼の妙な決意である。
「ん……?」
「どうしたの?シェン。」
シェンの大きな肩に顎を乗せながら、レイスはみた。
それは、闘技場のポスター。今日は大きな大会をやるらしい。
「レイス、戦闘好きか?」
「もちろん戦闘大好き♪」
あまりよいことではないかと溜め息が漏れる。
だが、レイスを知るいい機会だとも思えた。
彼の戦い方から性格を読み取る。
決して簡単なことではないが、今のシェンにはそれしかなかった。
「うっし、じゃあ登録するぞ!」
「アハハハ♪楽しみ☆」
二人はノリノリで闘技場へと歩いていった。
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