出逢い

6/7

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
時はとんて夕暮れ。そこには無傷の五人がいた。   闘技場にはたくさんの救急車がかけつけている。   全身火傷の人間、凍傷の人間、   怪我の種類は様々だ。   「何気に楽しかったカナ~♪」   気分良さそうにレイスは炎を出した。   彼の左手には蟹が握られている。   「楽しかった。今回一番楽しかった!   レイスとタッグで襲った時のあの顔!」   「ビビりにも限度があるヨネ!アハハハ☆」   黒屡とレイスの会話を、氷は不機嫌そうに聞いていた。   シェンが心配そうに見ているが、気付いていない。   「どうしたんだ?坊主。」   「別になんでもありません!」   そう言いつつも、彼の頬はぷっくりと膨らんでいる。   そんな四人を、シノンは後ろからみていた。   (もしも本当に魔王様なら……)   「黒屡様……」   とても小さくシノンは黒屡をよんだ。   黒屡がゆっくりと振り返る。   シノンは漆黒の瞳を真直ぐ見つめた。   「私シノン・ミカエリスは、本日からあなたにお仕えします。   よろしくお願い致します、ご主人様。」   いきなりひざまずくシノンを見て全員が驚いた。   理由を尋ねても彼は答えようとしない。   黒屡は深い溜め息を付いた。   「好きにしてくれ。ついでに氷を鍛える。   条件はそれくらいかな。」   「ありがとうございます!」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加