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時はとんて夕暮れ。そこには無傷の五人がいた。
闘技場にはたくさんの救急車がかけつけている。
全身火傷の人間、凍傷の人間、
怪我の種類は様々だ。
「何気に楽しかったカナ~♪」
気分良さそうにレイスは炎を出した。
彼の左手には蟹が握られている。
「楽しかった。今回一番楽しかった!
レイスとタッグで襲った時のあの顔!」
「ビビりにも限度があるヨネ!アハハハ☆」
黒屡とレイスの会話を、氷は不機嫌そうに聞いていた。
シェンが心配そうに見ているが、気付いていない。
「どうしたんだ?坊主。」
「別になんでもありません!」
そう言いつつも、彼の頬はぷっくりと膨らんでいる。
そんな四人を、シノンは後ろからみていた。
(もしも本当に魔王様なら……)
「黒屡様……」
とても小さくシノンは黒屡をよんだ。
黒屡がゆっくりと振り返る。
シノンは漆黒の瞳を真直ぐ見つめた。
「私シノン・ミカエリスは、本日からあなたにお仕えします。
よろしくお願い致します、ご主人様。」
いきなりひざまずくシノンを見て全員が驚いた。
理由を尋ねても彼は答えようとしない。
黒屡は深い溜め息を付いた。
「好きにしてくれ。ついでに氷を鍛える。
条件はそれくらいかな。」
「ありがとうございます!」
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