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智之、新井、影山、金城の四人は、硬式野球部に入部する事に決めた。中学の野球部出身の下級生も、四人と一緒に硬式に入部したいと言い出す。
主将の新井は、軟式野球部顧問、武山の所に行き、硬式野球部に入部する話しをする。
武山は、快諾する。
「でもみんなして、硬式に行ったら、部員が足りなくなります」
「新井。心配するな。おまえ達が入部するまで、試合もままならない弱小クラブだったんだから。それより
今の硬式の部員達との確執は大丈夫か」
「覚悟の上です」
「そうか、頑張れ」
新井は、職員室を後にする。
「武山先生は、快く承諾してくれたよ」
職員室から部室に戻った新井は、帰らずに残っていた、部員全員に言う。
「先輩。甲子園を目指して頑張って下さい」
二年生でセンターを守っている斎藤が、顔を真っ赤にして言う。
斎藤は、高校に入学してから野球を始めた部員である。
「斎藤」
新井は、目を真っ赤にして斎藤を見る。
「明日から硬式野球部を乗っ取るぞ」
金城が、威勢よく叫ぶ。
「乗っ取りか、確かに乗っ取りだよな」
影山が、ぽつりとつぶやく。
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