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~§3~
12月25日、午後7時頃のいつもの場所。
いつもはそうではないが、時期だけにカップルでゴッタ返している。
……なかなか来ない。
どうしたのだろう。いつもなら、遅れる時には連絡をくれるのだが……。
今日に限って連絡もない。
忘れてるだけだろうと思い、もう少し待ってみよう。そうすれば、彼から何かある。
そう思い、1時間が過ぎた。
そろそろ凍えてきた、もう我慢の限界。帰ることにした。
かかってきたら文句を言ってやる、そうしたら彼はかなり慌てるだろう。
家に着いて、少し落ち着いたときに一本の電話。
……彼の実家からだ。
何かあったのかと思い、少し慌てながら受話器をとる。
「もしもし。」
電話は彼のお母さんからだった。
いつもなら、本題に入るときにはもう数十分話し続けていたことが多いのだが、今日のはいつもと違っていた。
「あの子とデートする約束、あったでしょ?」
「???……はい。」
何で彼のお母さんがその事を知ってるの?と思いながら話を進めようとしたら、何かしくしく聞こえてきた。
……泣いてる?
「あの、何かあったんですか?」
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