蜘蛛は視る

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高校生になってから益々身長は伸び、顔つきも男らしくなった鷹がモテないはずもなかった。 しかし当の鷹は女の子と話すよりも友達と騒ぐ事を好んだ。 ある日純が鷹の食べかけているお菓子を通りすがりの絢に「あげる」と手渡した。 からかいでも鷹のテリトリーに入れたと喜ぶ女の子ばかりだったが、やはり絢は 「食べかけはいらないよ~冴木君が食べてたじゃない~ 返すね♪」 はい、と鷹に返すと絢は友達の中に返って行った。 戻った先の友達は羨ましいような目を絢に向けたが本人は気にしてないようだった。 「鷹に絡んで喜ばない女の子って珍しいな!」 純が驚くのも無理がない、鷹自身も驚いているのだから。 「こういうその他扱いされるのが新鮮だな~」 嵩も思う事は同じだったようだ。 そんなこともあったりでよいクラスメートとしてたまに話したりしている。
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