別の蜘蛛の巣

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夜遊び・女・喧嘩としたい放題な面々が無言でストローから『イチゴ・オレ』をすする。 「うぇ~甘めぇ!」 先ほどまで、飴を食べまくっていた純は喉が焼けると文句を言う。 提も鷹も普段より甘いものは口にしないせいか、声も出ない様子だ。 「うるせぇよ。てか、あんなとこで言い合いかますな、めんどくせぇだろ。」 嬉々として飲んでいるのは嵩ただ一人である。 「で?俺らは鷹のしようとしてる事の邪魔になるのか?」 フランクな空気のまま嵩は話を蒸し返した。 「行く先が行く先なだけに、邪魔になるようなら行く気はねぇぞ。 でもな、鷹。 何も考えてねぇくせに、ただ一人で行くから来るなとかいう寝言は聞かねぇ。」 鷹に返事が読めた嵩は釘を刺す。 「考えも何もねぇだろ、あいつだけ攫って来るだけだ。 それ以外動く気はねぇよ。」 この友人の顔をariaの中で晒すわけにはいかない。 ヤクザ・暴走族と面が割れて面倒な状況になる事は避けたいところである。 「俺らの誰かが同じ状況になったら、お前は来るだろ。 ちったぁ考えろ。」 純と提はこの話に口を挟む気はない様子だが、視線ではしっかりと訴えている。 「俺は、家族と住んでるわけでもねぇし、別にかまわねぇから。」 「くせぇ事は言わねぇが、とりあえず、ここまで絡んだ以上、首突っ込ませろ。 何かあったら寝覚めが悪いだろ。」 お前が心配だ などと青臭い事は口にしない。 心配されたからと言ってその行動を変える男ではない。 だったら、首を突っ込んだ方がましだとこの友人は思うのだ。 「まぁ?準備も何もないっていう鷹君に? いいものあげてもいいんだけどぉ?」 嵩はニヤリと笑って上着のポケットに手を入れた。
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