蜘蛛の日常

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八雲高等学校普通科 この一室より賑やかな笑い声が響いている。 「鷹~またお前朝からやらかしただろっ」 「あ?何の事だよ」 ふいと知らん顔を決め込んでみたが、付き合いの長い作間嵩(さくま たかし)には通じない。 嵩は腰かけていた机から降りると鷹(よう)の前まで笑いながらやってきた。 何の前触れもなく顎を掴まれそのまま右を向かされる。 「だいー!あつしー!見てみろよっこの顔っマジ笑えるわーっ」 けたけたと笑いながら鷹との15センチの身長差など気にもせず顎を掴んだまま教室の窓際へ歩いて行く。
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