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教室の後ろ窓際に鷹が連行されると、嵩同様に笑いだす二人。
大石提(おおいし だい)と倉内純(くらうち あつし)はこの高校からの付き合いだが気心が知れて、楽なスタンスでいられる。
笑い飛ばされても特に腹も立たない。
「これまた派手にやられたな…ぶっっ」
「純~あんまり笑うなよ~爪が長い女だったろ、三本線が顔に…ぶぶっ」
提がフォローしたかったようだが笑いにかきけされている。
「うるせぇ、自分から乗っかってきて、勝手に勘違いして、勝手に怒ってコレだ…うぜぇ」
顎にかかる腕を振りほどき、頬にある三本の赤線をさすりながらぼやく。
「お前、いつもの場所で決まってコレだからなぁ~」
嵩の言う通りなのだ。
自業自得である事もわかってはいるが、女という生き物はどうしたらそう考えられるんだ?と、思う。
自分のいいように解釈し過ぎだろう。
無機質なチャイムを確認するとそれぞれ席に着き始めた。
そして今日も一日が始まる。
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