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偶然と偶然が重なったとき人は、偶然を偶然と呼ばず奇跡と呼び奇跡の中にある運命を感じることができる。
運命を感じたその瞬間に運命の歯車が動きだすんじゃなくて動きだした運命を感じられるのが、その瞬間なのかもしれない。
父と母から生まれた事も運命ならこの出逢いは、いつ動きだしたんだろう。
一つの出逢いは、数多くの運命の連鎖から生まれている。
宇宙の始まりすらこの出逢いの為に起きた運命。
数えきれないほどの運命が二人を出逢わせてくれた。
カットに行ってから一週間が過ぎたけど、まだ今田さんには、連絡していない。
どんな風に話したら良いのか分からないし電話したら変な人だと思われないだろうか。
急に髪が伸びるわけもなく完全に電話する機会を失っていた。
一握りの勇気が欲しいってよく聞くけど僕には、二握りも三握りもの勇気が必要みたいだ。
その日の夜、友人の隆博から電話がかかってきた。
隆博は、昔バイト先で知り合った奴なんだが友達思いの良い奴で一番の親友だ。
「もしもし隆博だけど。久ぶりやなぁ。元気してた?」
「なんとか元気してるよ」
「なんとかってなんだよ。相変わらずやなぁ。でな来週の月曜の夜なんやけど予定ある?」
「別に予定ないけど月曜に何かあるん?」
「コンパのメンバー足んなくてさ」
相変わらずなのは、隆博の方だろってツッコミ入れたくなる。
昔から飲み会の類が好きで最近彼女と別れてしまってからは、飲み会の開催頻度が高くなってる気がする。
本当は、彼女の事が好きなくせに必死で忘れようとしている。
分かりやすいて言うか飲み会もその為なんだろな。
「いいよ。暇してるし参加するよ」
「じゃあ月曜の19時に京都駅で待ち合わせな」
「わかった。じゃあ月曜にね」
良いと言ったものの、かなり苦手で何回か参加したことあるんだけど打ち解けてきて楽しく話せるようになるのは、決まって解散寸前なんだよね。
でも隆博の為にも出来るだけ頑張って盛り上げないと。
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