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私によく似た顔の死体。
目の前が真っ赤になって、私は意識を失った。
──────。
変な男に追われ。
私達は職員室に逃げ込んだ。
先生がいる事を期待したけど、明かりの付いていない職員室にはやっぱり先生はいなかった。
私となっちゃんは震える…。
男が近付いて来て。
金属バットを振り上げる。
怖くて思わず目を閉じる。
ガッ!
音は聞こえたのに何の衝撃もなく…。
私はそっと目を開く。
倒れ込んで頭を抱えているなっちゃん。
男がまたバットを振り上げる。
なっちゃんがそれを見て、恐怖に顔を歪め。
私の方を見る。
何かを言おうとして、殴られる。
私は何も言えない。
きっと見つかったら酷い目に合うよ。
私によく似た声が響いた。
真っ赤な世界の中で、私そっくりな女の子が私を見て笑った。
『言ったよね?酷い目に合うって』
それを言ったのは私…
『帰りたいって、言ったよね?』
何を…
目の前にいる少女の左の目の下には赤い世界の中に墨を落としたような黒いホクロ。
『ねぇ。なっちゃん。…だから。今度は私がなっちゃんに意地悪する番だよ』
ガッ!グチャッ!
ガッ!グチャッ!
奇妙な音と共に激痛が走る。
何で…。
私が?
殺されたのは貴女でしょ?
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