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そして深夜。二人は、いや三人はゲームセンターにいた。恐怖を振り払うかのように熱中している二人をタダシは見ていた。しかし気持ちは苛立っている。本当はひとりづつ消していくつもりだったが全く別れる雰囲気がない。こんなクズ相手にいつまで僕は待つつもりなんだろうと。
そのとき、二人はパンチングマシーンの前に立ち、ボクシンググローブをはめている。
「さっきまでビクついたけど、結局なんも起きねーじゃん。」
「タダシの野郎、もしかして逃げ出したんじゃね?」
「ははは、ちげーねー。今度来たらこんなふうに、ぶっ飛ばしてやるよっ!」
勢いをつけて的にパンチをした。
「俺もあの陰気くせぇ顔を…」
もう一人も的に向かい振りかぶる。
「ブッ!!!…」
鈍い音がした。しかし、音がしたのは的ではない、殴ろうとした男の首からだった。
男の首から赤い噴水が出来上がり、的から画面まで真っ赤に染まる。首が有り得ないほどの柔らかいタコの足みたいにグネグネ動く。
「な…よ…これ…あっ…。」
離れないように首を抑えるが、ブチリと千切れる男を出して体から離れたとき、ドタリと倒れた。
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