18歳 高校生

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「あああぁぁぁぁぁ!」 叫び声をあげ、一生懸命外へ逃げようとするが恐怖のあまりに腰が上がらない。 …あと一人。タダシは首筋を切ったあとの赤く染まったカッターナイフを握りしめ、最後の男を睨む。 「僕は正しいんだ…こんな奴らはいないほうがいい…。」 自分に思い込ませるタダシ。その形相はもう成績優秀のときではなく、復讐に燃える血に飢えた鬼のようだった。追いかけたタダシはすぐに追いついた。 男は外には出たが横断歩道で再び恐怖で力つき、その場ど転んでしまった。 「なんなんだよぉぉ!くんな!くるなぁぁぁあ!」 渾身の力を込めて両手、両足を思い切り降る。それを見ていたタダシ。タダシは哀れんでいた。 「…どいつもこいつもだ。たむろって強がることしかできないくせに、いざ一人になると…みっともないったらありゃしない…だからクズなんだ。」 タダシはカッターナイフを握りしめ首に狙いを定める。 「殺してやる!クズをこの世から正義の仲裁を!」 まるで自分が神になったようだ。そう酔いしれながらタダシはカッターを持つ手を振り上げる。
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