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「あんた、なんでこんなことになった?」
おじさんはシケモクに火をつけた。
「あんたも、なんもなくなっちまったんだなぁ?」
ジロウは夢中でなにも答えない。口から煙を出しておじさんはさらに話を続けた。
「わしもなんよ…ここにいる仲間全員なんだ。あんたもこれでわしらと同じ仲間になった。気にすることはない。ここを自由に…。」
と話していた途中、ジロウは恐い表情をしていきなり立ち上がった。引き留めようとしたおじさんにジロウは口を開けた。
「魚をくれたことは感謝します。しかしわたしが嫌いな言葉は…仲間と信頼です。申し訳ないですが…。」
おじさんは止めなかった。
「いんや、気にすることないさぁ。気が変わったら…また来なさいな。」
おじさんは笑顔で去っていくジロウを見送った。
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