59歳 元社長

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「はっ!?…夢だったのか…。」 ジロウは駅の前で眠っていた。影民になってからもう5日は経っていた。髭は伸び、整えていた髪型も今はボサボサになっている。服装も埃かぶって貧相が浮かび上がっている。この姿を見ると元社長とは全くわからない。 今も一人で彷徨っているジロウは。落ちている小銭やゴミを漁って食いつないでいた。しかし小銭は自販機でしか利用できない。買うにも客が店員には見えていないからだ。 「わたしは一生このままなのだろうか…。」 毎日ジロウに不安がよぎった。
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