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その日の夕方、ジロウは前に来た橋の下に足を運んでいた。そこには前のおじさんがシケモクに手を出して座っていた。
「おぉ、あんたはあの時の。」
ジロウはそのおじさんの横に座り、女性が持ってきたコンビニの袋を出した。
「これ…以前なりゆきで助けてしまった女性がわたしに持ってきたんです、目の前の財布に気を取られて女性なんて気にしなかったのに…。」
「そうかい…。」
「街が綺麗になったのも別にここが好きでやっているんではないんです。食い物を探しにゴミを漁って、ゴミ置き場に戻してるだけですし、わたしもシケモク探しに落ちているタバコを拾い集めているだけで…。」
「そうかい…。」
おじさんは頷くばかりであった。
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