18歳 高校生

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次の日の朝。タダシは目から覚めて気づいた。時計が既に10時を回っていた。慌てて制服に着替え、鞄を持って階段を下りた。しかし、何かがおかしい。静かすぎる。いつもなら母が起こしに来てくれて見送りもしてくれるのに。 でも昨日のことだ。しかたないとタダシは自分に言い聞かせたがせめて一言ぐらいはと挨拶をしに居間へ向かう。                                           居間にはやはり母がいたが、静まり返っている。ただ様子がおかしい。後ろ姿でもすすり泣くいているのがよくわかる。声をかけても振り返りもしない。そのかわり母から声が聞こえる。 「ごめんなさい…ごめんなさいねぇ…私のせいだわ…許しておくれ…。」 何度も繰り返し聞こえてくる声に、タダシにはなんのことかわからなかった。気にせずタダシは家を後にした。
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