18歳 高校生

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遅刻してるので、タダシは自転車に乗り、裏道代わりに商店街を通ることにした。昔は両親といっしょによく買い物をしていた。今はその面影すら見えないが、そのときの親の手の温もりは今でも忘れられない。なぜ今のような英才教育を受けなければならないのだろうか。父の会社が倒産したことで離婚を親だけで決めてしまったからなのだろうか。勉強していいところへ勤めることができれば父のようなことにはならないからなのだろうか。 「…次のニュースです。」 ふと耳に入った電化製品店に置いてある展示用テレビの音に、考え込みながらも自転車のペダルを止めるタダシ。 そのとき、タダシは息が止まるようなことを知ることになる。
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